健康で文化的な最低限度のわたし

 別にこれまでもフル在宅勤務でもなくて出たり出なかったりだったけれど、緊急事態宣言が解除されるってんで、出社、もしかしたらなんか他の要因もあったのかも知らんけど、たった一日で、もう「いっそ殺せ」みたいな気持ちになってきて、仕事というものが自分にもたらす精神的ダメージたるやこれはほんともう毎日が労災ですよ。仕事、できないのだもの。仕事、に触れている時間ずっと自己嫌悪で精神的を軽石でこすり続けているのだもの。そりゃ磨耗するわよ。

 

 4月〜5月の自粛ムードと在宅勤務、もともと4月はひまな時期だったこと、そしてそのまま「なにもしないのが正解」というゴールデンウィークに突入し、きらきら「ホムパ〜」とかいうSNSも見ることなく、何と比較して卑屈になることもなく地元で散歩するおだやかな生活をして、これはルネッサンスです。人間革命です。あっ、健康的で文化的な最低限度の生活、って、これね、と。これがあって、この上で新しい映画やら楽しいイベントを追いかけるならともかく、これなき生活で、その隙間を仕事or何か消費イベントを追いかける(むしろ"駆られる"とかが近い)なんて、正気の沙汰じゃない。こんなスピード感は、いらない。

 

 本読んでさー、英語勉強して、ドイツ語なんかちょっと勉強したりして、ビール飲んで、日記書いて、近所の墓地散歩したりして空は広く、知らん人のお墓に手を合わせてみたりしてスピリチュアル鳥の声葉の擦れる音。帰りにたこ焼き買って。これがベース。この上にいろいろを乗せていくの。それが生活。

 

 あー無理。表現の仕方によっては不謹慎になってしまうけど、そのあれの被害が続いて欲しいとかそういうことではなくって、全くなくって、あの、非人道的な生活に戻るのが、私はもう、無理。人権の味を覚えてしまったのだもの。

 

 まあ経済とか自由競争とかってのの帰結として避けられないのはわかるけど、みんな、そのスピード感、ほんとに必要かね。でも、みんながゆっくり歩いてたら追い抜きたいものね。追い抜かれたくないものね。まあ、そうやって死ぬまでがんばったらいいんじゃないですか、みんな。