B=MAPなんですって

 会社のそばのビアバーに行く。店員さんとずっと話をしている人がいて、うらやましくもあるけれど、もうそういうののマネをすることはなるべくやめたい。一時的にテンションを上げても長続きはしないし、店ごとに合う合わないはあり、(自分は合う打率が低いタイプの人間なことは嘆いていても仕方ない)合う店を見つければいいだけの話である。しかしそれはそれとして人と関わることを恐れてはいけない、なあ。

 

 ところでいま読んでいる洋書はTiny habits、という。BJ FOGG PhDなる人物によるものだ。最初の方は「習慣というのは仕組みであってモチベーションではない、だから自分を責めても意味はない」「小さな習慣をはじめよう」みたいな感じで、はいはいまたこういうのね、あるある、という調子で読んでいたのだけれど、Fogg行動モデルというあたりからちょっと面白くなってきた。

 Fogg博士いわく、B=MAPなのだそうである。Behavior=Motivation×Ability×Prompt、あらゆる行動は、モチベーションと能力、そしてそこにきっかけが与えられたときに発動し、それらが一定の閾値を満たさないとき、それは起こらない。Motivationの高さを縦軸に、Abilityの高さ(=やりやすさ)を横軸にとると、グラフはカタカナの「ノ」を鏡文字にしたようなものになる。モチベーションが高いとき、能力(労力、といってもいいかも)が必要なものでも、それは行われる。逆に、モチベーションが低くとも、労力がほぼ0なものであれば、それは行われる。つまり、鏡文字「ノ」のラインより上にある行動が存在するとき、それは行われる。そして忘れてはいけないのが、その行動が発動するときにはつねにPrompt、きっかけがそこにある。のだそうだ。

 そして人はなかなか行動を変えられない。習慣化したくても行動できなかったり、やめたくてもまたやってしまったりする(そう、B=MAPは行動の善悪とは関係ない)。このとき、人はすぐにM=Motivationに原因を求め、自分の意志力の弱さを責め、自分を責め……となるが、Fogg博士によれば、それはアプローチが間違えている。行動を変えたいときのトラブルシューティングは、常に「P→A→M」の順番で検討すべきだ、というのが彼の意見である。まず、きっかけを見直す。やりたいことであれば、そのきっかけを作り、やめたいことであれば、そのきっかけを取り除く。そして、A=Ability、能力、それにかかる労力を見直す。それからモチベーションを検討する。そのようにして行動を改善するべきである、と。

 なんでも、そうやって行動の変化に成功することの一番の利点は、「行動は私そのものではない」ということを実感できることにあるのだそうだ。行動を変えられなくとも、それは自分におけるB=MAPの研究の途上なだけであって、また違うアプローチを取ればいい。自分の行動を、自分とは外部のものとして観察し、ラボのように実験せよ、と。まあ、そんな話。

 300ページのうち、まだ40ページしか読んでいないのだけど、いまのところこんな感じ。

 

 ところで、たぶんだけれど、このところ調子がいい。調子がいいときには調子よくいろいろを押し進めるべきなのだけれど、しかしこれを30余年繰り返している私は、数週間もしないうちにまたネガティブと無気力とエネルギー不足そしてそこからくる過去ぐるぐる自己嫌悪の旅が始まり、あらゆる良き習慣などが壊滅することをもう知っている。なるべくダメージを最小限にし、調子をあげる方法を考えたいが、これでは漠然としすぎていてそれこそB=MAPなんかには落とし込めない。

 

 今日の進捗。洋書を読んだ。SUITSの1シークエンスをしつこく見た。仕事で結構英語を読んだ。ハーモニーを読んだ。勧められた投資本を読んだ(しかしちょっと自己啓発本ぽいな)。ドイツ語基本会話本をAnkiに入力、一回回す。リングフィット。

 今日の知識。特になし。

 明日の展望。英単語に着手する(SUITS、Tiny habitsなどから抽出しAnkiに入力)。投資は本を読んでいても仕方なさそう。要点を調べて信託を買ってみる。ビール本を読む、ブルワリーを調べる、というのが本日は停滞した。優先する。爪を切る。

 

 99.99%気のせいだと思うが、もし、今後何かあったときのために記録。いま飲んでいるビール、前回の印象ではもっとスカッとした柑橘が感じられたはずなのだが、いまいちパッとしない。軽めのIPAのはずなのに、妙にアルコールを強く感じる。コロナの症状として味覚嗅覚の消失がある、ということでちょっと神経質になってしまう。いや、しかし、帰宅途中に飲んだ別のビールはあんなにいろいろな香りとほんのりとした蜂蜜のような甘みと、キレの良さ、そして少し残る鉄のようなミネラル感、まで、感じ取れたのだから、うん、まだこれは、たまたま、とか、気のせい、といって差し支えのない範囲であろう。明日も注意していく。